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網羅的ゲノム解析による膵腫瘍ならびに十二指腸腫瘍、胆道腫瘍の本態解明と新規診断・治療法の開発

1. 研究の対象

2009年1月16日以降に大阪大学医学部附属病院消化器外科で「消化器疾患患者生体試料の保存」、もしくは2018年2月13日以降は説明文書「疾患克服の研究基盤としてのバイオリソースバンク・データベース事業(略称:阪大バイオバンク事業」に 同意された患者さんの内視鏡や手術で摘出された標本のうち病理組織検査で使用しない余剰検体や解剖検体を研究のために使用します。対象の病気は膵腫瘍と十二指腸腫瘍、胆道腫瘍です。

2. 研究の概要

本研究は国内外20の共同研究で、大阪大学医学部附属病院が主幹施設になっています。膵腫瘍と十二指腸腫瘍、胆道腫瘍の患者さんの腫瘍組織を用いて、全遺伝子のシークエンス(塩基配列)解析などの網羅的な遺伝子解析を行います。ゲノム(遺伝子)解析は、次世代シークエンサー等の最新のテクノロジーを活用して行います。膵腫瘍と十二指腸腫瘍、胆道腫瘍に特徴的な遺伝子変異などを同定することによって、 これらの腫瘍の成り立ちを解明し、有効な治療薬の選択や新たな治療薬の開発に道を拓くものです。

3. 研究の意義

本研究で膵腫瘍と十二指腸腫瘍、胆道腫瘍の遺伝子の特徴が明らかになれば、遺伝学的な特徴に基づく化学療法や分子標的薬剤の選択、さらに新たな治療薬の開発につながります。 また、腫瘍発生のメカニズムを解明することによって、膵腫瘍と十二指腸腫瘍の予防や早期発見に寄与できるかもしれません。

4. 研究目的・方法

次世代シークエンサーをはじめとする革新的な技術開発によって、多種多様ながん遺伝子の情報を大規模かつ高速に得ることが可能となってきました。本研究の目的は、本邦における膵腫瘍と十二指腸腫瘍、胆道腫瘍の原因となる遺伝子異常を特定することです。 本研究は国内外20施設との共同研究で、内視鏡的手術や生検、外科手術、病理解剖によって摘出され保存されている凍結組織の腫瘍巣と非腫瘍部組織の一部から、核酸(DNAやRNA)を抽出します。その後、網羅的に遺伝子の塩基配列の解析や染色体配列の異常などを調べます。主に、大阪大学や国立がん研究センターに設置されている次世代シークエンサー、もしくは次世代シークエンス解析技術を持つ第三者に委託して解析を行います。通常の顕微鏡などによる病理組織検査に支障を来さない場合のみ、凍結組織は採取されており、それを使用します。研究実施期間は5年間です。あなたの遺伝子解析データは、研究用にデータを提供する公共のデータバンクであるがんゲノム情報管理センター(C-CAT、国立がん研究センター 研究所に設置)やNational Bioscience Database Center(NBDC)を介してDDBJ(DNA Data Bank of Japan)に匿名化のもと提供されます。 厳正な審査を受けて承認された場合のみデータが利用される可能性があります。

5. 研究に用いる試料・情報の種類


情報:病歴 等
試料:外科手術、内視鏡的手術や生検で摘出した組織 等

6. 研究組織


谷内田 真一(大阪大学大学院 医学系研究科 医学専攻 ゲノム生物学講座・がんゲノム情報学)
谷内田 真一(国立がん研究センター 研究所 ゲノム医科学分野)
後藤 明輝(秋田大学大学院 医学系研究科 医学専攻 病態制御医学系 器官病態学)
水間 正道(東北大学病院 総合外科)
調 憲(群馬大学大学院医学系研究科 病態腫瘍制御学 肝胆膵外科学講座)
柴田龍弘(東京大学医科学研究所 ゲノム医科学分野)
樋口 亮太(東京女子医科大学 消化器病センター・消化器外科)
山田 豪(名古屋大学大学院 医学系研究科 消化器外科2)
波多野悦朗(京都大学大学院医学研究科 肝胆膵・移植外科/小児外科)
高橋 秀典(大阪国際がんセンター 消化器外科学)
庄 雅之(奈良県立医科大学 消化器・総合外科)
山上 裕機(和歌山県立医科大学 外科学第2講座)
有廣 光司(広島大学病院 病理診断科)
岡野 圭一(香川大学 医学部・消化器外科)
前場 隆志(JCHO りつりん病院)
中村 雅史(九州大学大学院医学研究院 臨床腫瘍外科)
吉住 朋晴(九州大学大学院医学研究院 消化器総合外科)
三森 功士(九州大学病院 別府病院 外科)
杉町 圭史(九州がんセンター 肝胆膵外科)
Ralph H. Hruban(Johns Hopkins Medical Institutions)
G. Johan A. Offerhaus(University Medical Center Utrecht)
田上 潤(タカラバイオ株式会社 製品開発センター)

7. 問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記連絡先までお問い合わせください. ご希望があれば,他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲で,研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい. また,資料・情報が当該研究に用いられることについて,患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので,下記の連絡先までお申出下さい. この場合も患者さんに不利益が生じることはありません.


照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院 医学系研究科 医学専攻
ゲノム生物学講座・がんゲノム情報学 谷内田真一
FAX 06-6879-3369 TEL 06-6879-3360


研究責任者:
大阪大学大学院 医学系研究科 医学専攻
ゲノム生物学講座・がんゲノム情報学 谷内田真一


研究代表者:
大阪大学大学院 医学系研究科 医学専攻
ゲノム生物学講座・がんゲノム情報学 谷内田真一